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院長コラム

Vol.13 こんな美人で可愛い女子高生に一体何の悩みがあるのかな?(その1)

今回の患者さんは17歳の若い女性です。カウンセリングルームに入ると可愛いセーラー服姿の女子高生がお母さんと一緒に待ってみえました。目が大きくて鼻筋の通った端正な顔立ちに長いストレートヘアーが印象的です。最近の若い方には珍しくとても礼儀正しくて、わざわざ立って挨拶をされましたが、身長も170cmはゆうにありそうです。こんな美人で可愛い女子高生に一体何の悩みがあるのかな?と思ってカルテに目を通すと、相談内容が「小顔の相談」となっていました。

カウンセリングの前に緊張をほぐすために「学校は楽しいですか?将来は何をするの?好きなアーティストは?」などという雑談などを交えながらご本人のお話を聞くのですが、何と小中学校の頃から回りから「ホームベース」とか「はいり」とか言われてからかわれたそうです。幸い持ち前の明るい性格とバスケット部のキャプテンでクラスメートから慕われていてイジメなどには遭わなかったとのことですが、それでも顔の輪郭のことを言われるととても辛い思いでいつも傷ついていた自分を必死で隠していたと打ち明けられました。

実際に長い綺麗な髪の毛を上げて頂いて顔の輪郭全体を見てみると、まさに「天は二物を与えず」の通り、整った目鼻立ちを台無しにするかのように張り出したエラと頬骨がとても目立っています。顔面の骨が出ていると顔が大きく見えるばかりでなく、ゴツゴツとして骨ばったイメージを与えます。一般に日本人をはじめアジア人はヨーロッパ人よりも体格に対する頭蓋骨の比率が大きいばかりでなく下顎角(エラ)と頬骨が張り出している場合が多いのですが、折からの小顔ブームで最近はこのような相談がとても増えています。X線検査などの結果、この可愛い女子高生の手術は下顎角形成術(エラ削り)と頬骨縮小術(頬骨削り)を同時に行なうことになりました。
(次の記事に続く)

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Vol.12 今の自分の不自然な胸を見られるのが恐怖です(その2)

(前の記事の続き)今回の悩める37歳の女性は、10数年前に入れた生理食塩水バッグを取り出して代わりに乳腺下に最新のコヒーシブシリコンバッグを入れることにしました。美容医療に携わっていていつも感じるのは、女性のバストに対する切実な思いと強いこだわりです。女性が豊胸術の結果に求めるのは、豊かで美しい外観はもちろん、柔らかな感触や自然に流れる動きなど非常に繊細です。特にこの女性は再婚を機に手術を決心されたようで、相手の男性のためにも私の責任は重大です。カウンセリング時の「今の自分の不自然な胸を見られるのが恐怖です。キレイで自然な胸になるのでしょうか」という不安そうな言葉が私の脳裏に残りました。

手術は新しい傷を増やさないように前回と同じ腋の下を3~4cm切開し、大胸筋と乳腺の間を丁寧に剥離して新しいスペースを作成した後、大胸筋下の生理食塩水バッグを取り出しましたが、再手術のため側胸部の癒着が強く剥離は中々大変です。その後に大きさが自由に変えられるテストバッグを挿入し、患者さんに実際に見て頂きながら新しいバッグの大きさを決めて行きます。取り出したバッグの大きさは175ccでしたが、一回り大きくしたいという患者さんの希望で新しいバッグはスーパーアナトミカル型コヒーシブシリコン250gに決定しました。実際にバッグが入ったバストを見た時の患者さんの喜びと安堵の混じった表情は今でも忘れられませんね。

入れ替えの分だけ腫れは少々長かったものの術後の経過は大変に良好で、1ヶ月後検診の時には見違えるような素敵なバストになっていて私も一安心しました。当院ではバスト術後患者さんに年1回の超音波検査をお勧めしていますが、1年後に来られた時に男性の方が同伴されていたので、「めでたくご結婚されましたか?」と尋ねるとうなずきながら「主人が余りにも私のバストのことを美乳だといってほめるものですから、つい本当のことを言ってしまいました。」とのことでした。

「いつまでもお幸せに。。。。。」と言って、お二人を見送りました。

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Vol.11 今の自分の不自然な胸を見られるのが恐怖です(その1)

今回の患者さんは37歳の女性で10年ほど前に他院で豊胸術を受けられましたが、残念ながら理想通りにはならなかったとのことで来院されました。カウンセリングルームには沈んだ表情の女性がお子さんと一緒に待っておられました。何か事情がありそうです。こんな時私は徹底的に時間をかけて詳しくお話を聞くことにしていますが、この方はゆうに1時間を超えました。

この女性は離婚後5年たってやっとお付き合い出来る男性と巡り合えたそうですが、「今の自分の不自然な胸を見られる時が来るのが恐怖です。本当にキレイで自然な胸になるのでしょうか」と不安そうに訴えられました。診察してみるとこの方の豊胸術は生理食塩水バッグを大胸筋下に入れる方法で、以前わが国では一般的に行なわれていた方法です。手技が比較的簡単なため短時間で終わりましたが、大胸筋下を広範囲に剥離するために術後の痛みが強く、3ヶ月間の痛みを伴うマッサージが大変でした。もちろんある程度良好な結果も得られましたが、筋肉の下にバッグを入れるため固く張った感触になることと胸や腕に力を入れるとバッグが圧迫されて不自然に変形するなどの欠点も多くありました。

この方はマッサージの過程でスペースが狭くなってバッグが上に上がってしまったため、バストの上部が膨らんで元々の乳腺部分が下がって垂れた状態になっていました。感触も非常に固くて最悪です。この外見と感触ではこの女性が悩まれるのも無理はありません。(次の記事に続く)

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Vol.10 可愛いミニやショートパンツがはけないんです(その2)

(前の記事の続き)さて患者さんの脂肪吸引の手術日がやって来ました。当日の朝、偶然に患者さんとエレベーターで一緒になりましたが、「昨夜は緊張してよく眠れませんでした。」とのこと。しかし睡眠不足のためか却って手術中は緊張がほぐれたようです。

術前にもう一度簡単に手術の説明をした後、身体にデザインを描くのですが、私のデザインは先ず脂肪吸引部を詳細に観察して脂肪の厚さやその下の筋肉を確認して、体表に綿密な等高線を描いて行きます。前回もお話しましたが、脂肪吸引とは人の身体の彫刻そのもので、技術と経験はもちろん美的センスが最も要求される芸術のようなものです。一般に大腿部で最も脂肪が目立つ部位は、脚の付け根の内側上部と外側上部及び膝の内側です。麻酔は硬膜外麻酔法で術部のみ無痛にするため途中で経過を見ることも可能です。現在は直径2mm以下の細いものから太いものまで様々な種類の吸引管を用いて、脂肪層の深層から浅層まで非常に細かく丁寧に吸引して行うために術後の凹凸も殆どありません。

「どうしても可愛いミニやショートパンツをはきたいんです!」というこの女性の夢を叶えるために、途中で何度も色々な方向から彫刻(?)の形を確認し吸引管の入っている深さを確かめながら3時間の手術に神経を集中しつつも、患者さんと色々なお話をしながらの楽しいひと時でした。

脂肪吸引は彫刻のマラソンのようなもので、患者さんから4kgの脂肪を吸引すると主治医は2kgくらい痩せますが、1ヵ月後の検診にこの患者さんが可愛いショートパンツで嬉しそうに来られて、「せんせい、本当にありがとうございましたぁ」というお礼の言葉で、3時間マラソンの疲れも吹っ飛んで報われた気分になりました。

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